成人/老年看護

【看護学生向】運動器・大腿骨頚部骨折/病態生理、治療、看護まとめ

「忙しい看護学生さんの勉強を少しでも楽にできたらいいな」

「事前学習・実習・国家試験対策に役立つ情報が気軽に調べられたらいいな」

そんな思いから「毒茄子(毒ナース)」は生まれました。

 

毒茄子の勉強部屋では、

「手元に教科書がないけどちょっと検索して見たい情報がある」

「レポートにまとめるときに参照したい」

といったときに教材・ノート代わりに活用して頂けるものを目指しています。

 

今回は母性看護の【大腿骨頚部骨折】について。

大腿骨頚部骨折とは

大腿骨頸部骨折は高齢者に頻発する骨折である。
大腿骨の骨折は、高齢者の転倒による骨折で最も多い。

大腿骨頚部骨折の原因・要因

【原因】加齢に伴う身体諸機能の低下

特に、骨粗鬆症・運動機能の低下

【誘因】転倒

骨粗鬆症が前提にあり、骨格筋の筋力低下や運動機能の低下、視力低下など全身の予備能力が低下しており、転倒リスクが高い状態にある。
骨がもろい状態で転倒することにより、容易に骨折を起こす。

大腿骨頚部骨折の治療(手術)

人工骨頭置換術

骨接合術

など。手術療法が選択されることが多い。

高齢者が手術療法を選択する理由

【なぜ?】
1)骨癒合が難しい
2)高齢者では保存療法による長期臥床により、全身状態の悪化や合併症、廃用症候群となるリスクが高い。
手術療法により早期離床、早期リハビリテーションにつながる。

【内側骨折】...おもに人工骨頭置換術を行う
内側骨折での骨癒合が難しいため、手術適応となる。
・内側骨折は関節包内骨折であり、整復が難しい
・骨頭への血行障害により、偽関節となる頻度が高い
・骨癒合がおこっても大腿骨頭壊死を生じることがある

【外側骨折】...CHS固定術、ガンマネイル法など
外側骨折は血行の良い骨幹端部の骨折であるため、骨癒合は良好であるが、
(2)の理由により、観血的整復内固定術としてCHS・ガンマネイルなどが行われる。

大腿骨頚部骨折で人工骨頭置換術を受けた患者の看護

手術後の看護 ~合併症予防のための看護~

合併症 看護
肺炎、無気肺 ・低ファウラー位(20~30度)
・深呼吸を促す
・咳嗽を促す(分泌物の喀出)
※幹部に手をあてて抑え、咳ばらいをすると、痛みが響きにくい。
静脈血栓 ・間欠的空気圧迫具(フットポンプ)の使用
・弾性ストッキング着用(健側・患側とも)
人工関節脱臼 ・患肢⇒ 軽度の外転、回旋中間位の良肢位を保持させる。
股間にはビーズ枕を置き、大腿と下腿を羽根枕で挙上
腓骨神経麻痺 ・腓骨頭部を浮かせ、神経圧迫障害を予防
感染 ・創部ドレーンの排液の量・性状の継続的観察
ドレーンは外界と交通しているため、不潔にならないよう注意する。
・創部の炎症反応の有無(発赤・腫脹・熱感・疼痛)の観察
・浸出液の性状の観察
・全身の清潔保持
※手術後4~6日経過しても発熱が続くようなら感染を疑う

 

リハビリテーション看護

早期運動・早期離床は深部静脈血栓予防にきわめて重要。

手術当日~ (疼痛がなければ)
ベッドの頭側挙上30度
懸吊具を用いた状態の起き上がり、腹筋運動を指導
術後1日目~ 患側足趾・足関節の自動運動
大腿四頭筋の等尺性収縮運動
上肢・健側下肢/関節可動域最大限の自動運動~
~抵抗バンド・鉄アレイを用いた自動抵抗運動へとすすめ、筋力を増強
吸引ドレーン抜去~ 車椅子移動の訓練
平行棒・松葉杖による部分荷重歩行訓練

 

退院に向け必要な生活指導

・毎日の運動が必要であること(ウォーキングなど)
筋肉・関節組織の回復のためには毎日の運動訓練が必要である。
大殿筋・大腿四頭筋の筋力保持・増強のため、歩行を励行する。

・体重コントロール
体重の増加は関節に負担をかけるため、特に肥満者には食事指導をする。

・基礎疾患の治療

・感染予防
人工物を挿入しているため、外傷などから感染を起こしやすいことを説明する。
皮膚の清潔を保ち、皮膚を傷つけないよう注意する。

・自宅環境の整備
退院後しばらくは松葉杖・T字杖の歩行となるため、
前もって室内の段差・障害物の除去、洋式トイレの準備をさせる。

・人工関節脱臼予防
過屈曲や内旋位の禁止。
正座は禁止。和式の生活から椅子、ベッドなど洋式の生活への移行をすすめる。

・外来受診の指導
経過観察のため、定期的に外来通院をし、医師の診察を受けるよう指導する。

 

 

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