ツインレイ

ツインレイ*彼と私の物語④

飲み会には私と彼を含めて全部で5名、若くして脳卒中となり片麻痺となった車椅子生活の女性と、若い男性・中年男性が参加した。

 

そもそも彼とも話がそれほど合わなかった私は、その飲み会に参加している人ともやはり波長が合わず、周りの話に合わせて過ごしていた。

 

彼は、自分でイベントハプニングを起こしたことで会の主旨が変更になったというのに、あまりしゃべらず物静かだった。今思えば「ちゃんとしゃべれよ」と、ツッコミを入れたくなる話だが、どうやらその日は風邪を引いていたらしい。

 

典型的なアキバ系口調の中年男性の話は止まらず、相槌を打つ彼は明らかに楽しくなさそうだ。

 

(生理痛つらいし、早く帰りたい・・・)

(なぜ私は今日ここにいるんだろう・・・)

完全に、自分に合わない会に来てしまったときの失敗パターンだ。まぁ、そんな日もある。

 

そんななんとも言えない会の最中、目の前に静かに座る彼をぼんやりと眺めていたとき、

『この人を守って、支えてほしい』

ふと、そんな言葉が私の頭の中に浮かんできた。

 

(???・・・ん?)

はっきりと聴こえたわけではない。ただ、なんとなくそう言われている気がしたのだ。

 

そんな中、

「奥さんが3か月前に脳卒中で亡くなったんですよ」

「子供が小さいんで大変です」

「もう全然、平気ですけどね。イジってくれて大丈夫っすよ」

と笑って話す彼。「いや、それは誰もイジれないだろう」と心の中で思った。

 

(大変だろうに。強い人、なのかな~)

つかみどころがなく本音が見えない彼と、波長が合わない人たちとの飲み会は、だいぶ疲れた。

飲み会が終わり駅で解散し、帰路につく。

 

彼からすぐに「ありがとう。また話しましょう」という内容のメッセージが届き、私はすぐにお礼と「またぜひお会いしたいです」とメッセージを返した。

 

(いや、合わないでしょ。この人とはもう会わないでしょ)

心の中でそう思っているのに、なぜか私の指はそうメッセージを送った。社交辞令はしない主義なのになぜその一言を打ったのか、未だに分からない。

こうして文章化してみると改めて、誰かに仕組まれているかのような出逢い方だった。

 

(まぁ、そうそう会うこともないでしょう。大阪の人だし・・・)

疲労困憊で眠りについた翌日、さっそく彼が思いもよらぬ行動に出る。

 

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