みなさん・・・「看護師の職場」と聞いてイメージするのはどんな場所ですか?
でも今増えているのは、既存の看護師の枠組みに捉われない新しい働き方をするナース達です。
「看護師だけど看護師じゃない。でも、看護師」みたいな人たち(笑)
今回はそんな看護師について書かせていただきます♪
Contents
看護師+αとは?
看護師+αは、看護師として培った知識やスキルを活かして、既存の看護師の働き方にない健康アプローチや社会貢献を仕事にしている人・これからしようとしている人のことを指すことが多い。『自分のキャリア・人生を包括的に捉えて、その中で看護師の知識やスキル・看護の心を含んだ仕事をしている』というあり方から生まれた。
”看護”という軸を保持しながら、”看護師”という枠だけでは定義できない活動をしている人が【看護師+α】と名乗り始めたことで生まれた造語・俗称。
分かるような、分からないような・・・?
じゃあ、少しずつ解説していくね。
止まらない看護師不足。本質を紐解くとみえてくる、日本の医療の闇と限界
厚生労働省のデータ(平成26年度)によると、病院など医療・介護機関に就業していないいわゆる”潜在看護師”は、約71万人。それに対し、就業している看護師は約154万人。看護師資格保有者のうち、3人に1人は”看護師”として働いていないということになります。
団塊の世代が後期高齢者になる2025年には医療・介護の分野で就業する看護師が200万人は必要といわれていますが、需要と供給のバランスが取れずに慢性的に人手不足な状態の医療機関が数多く存在しています。
この潜在看護師が現場に復帰できる仕組み・環境づくりが必要だとかずっと言われているけど・・・一方その頃、現場では?
ハードワーク→辛くて人が辞める→人員不足でさらなるハードワーク→辛くて人が辞める・・・の負の連鎖が繰り返されている。
「辛かった・大変だったから辞めたし、もう現場に戻りたくない」「ブランクができてしまったし、もう自信がない」って思って現場を離れた人が復帰したいかって言ったら・・・ね?
寝たきりや認知症は、昔ならば自然に最期を迎えるはずだった”自分自身の再生能力を失った”人たち。
「誰もが平等に医療を受けられる仕組み(=医療保険、介護保険)」と「医療技術の進歩」が”終われない命”を量産し、その命への守るために若者(医療・介護従事者)が身をすり減らして働く構図が日本ではできあがってしまいました。
病院で働いている看護師も「早く辞めたい」「次はどこで働こう?」と常に転職会社で求人を探したりしてるし・・・
でも辞めても「次もきっとそういう職場」と思うと動けなかったりする。
そして「看護師辛い!辞めたい!でも・・・」「辛いけどとりあえず〇年」「転職したけど結局また辛い」を繰り返していく。悲しい構図です・・・。
【看護師だけど看護師じゃない看護師】たちなんだ。
どっちやねんっ!
病院にいない看護師って何?潜在看護師とはちょっと違う「看護師+α」の道
☑看護師としての”雇用・採用の外”で人の健康に携わる取り組みをしている(部分的に看護師の雇用・採用の”中”にいることもある)
☑病気や障害があってもなくても”その人が楽しく健康に過ごせるか”という人生の質(QOL)に目を向けている
☑その活動は多岐にわたりカウンセラー、〇〇トレーナー・アドバイザー、音楽・スポーツ、文章や動画の発信など、一見看護師とは結び付かないような活動を仕事にしていることもある
そして「医療の限界」は誰もが感じていて、これからは「自分の健康は自分で守ろう」って風潮になってきているよね?
巷は「予防医学ブーム」なんて言われているけど、予防の分野はとても幅広くてまだ確立されていない。
とはいえ、もはや医療費の赤字がすごすぎて”日本という国が循環不全”というか・・・
今にも”国そのもの”が心筋梗塞や脳梗塞を起こして倒れそう・・・。
で、そこで登場するのが、通称【看護師+α】といわれる既存の看護師の働き方に捉われない活動をするニュータイプなナースたちなんだ。
そのナースたちは病院やクリニック、訪問看護・介護施設などとは別に”看護師の雇用・採用の外”で活動しているんだよ。
完全に雇用から離れている場合と、半分は看護師(雇用の中)、残り半分で看護師+α(雇用の外)みたいな形を取っている人もいるよ。
看護師の”雇用・採用”の外・・・?
っていうとどういうこと?
その看護師+αの人たちの対象者は病人ではなく、主に健康な人・病気の一歩手前の人たち。
完全な予防、というと難しいけど、人が”健康的”に生きる部分へのアプローチをしてたりするんだ。
受診が必要になる前に健康相談できるきっかけづくりとか、孤独を感じている人へのつながりづくりとか、ストレスとの付き合い方や対処とかね。
保健師は公的機関で就業していて、集団指導などに携わることが多いよね。
保健師を公的サービスとすると、看護師+αは私的サービスにあたるかな。
看護師+αの人たちは、本当に「生活の中」で何かしらの活動をしている人たちなんだ。その人たちはなんていうか・・・”病気に着目しすぎていない”んだよね。
もう、生活習慣病なんて”細胞の劣化で起きた結果”でしかないよね。
もちろん、なりやすい・にくいの体質はあるだろうけど「誰でもいずれ老化で起こる症状に対して過度な治療をするのはどうなの?」って意見は最近よく聞く話だよね~
だからこそ「苦しい治療を続けたり、人に迷惑かけて、自分で自分が分からなくなってまで長生きするのはどうなの?」と考える人も増えてきた。
「何年生きるかより、どう心豊かに幸せに生きるか?」が大切だといわれる時代に、人がいかに”健康な心で幸せに生きるか”にアプローチするために、”看護師として培ってきた知識やマインド”を活かしてなんらかの活動をしている看護師資格保有者たち・・・
それが今、増えてきている【看護師+α】の人たちなんだ。
だからIT×看護とか、農業×看護とか・・・思わぬところで、一見看護と関係のない仕事をしている人も多いんだよ。そしてその根っこには「病気になる人・病院に行く人を減らしたい」「病院の医療や看護の業務を減らせたら・・・」という想いがあったりするんだ。
看護という”基盤”があって、病気よりも”幸せな生き方”にフォーカスをあてているんだなぁ。
今までは”一つの仕事に就いたら、ずっと働き続ける”というのが常識の時代だった。
でも今は、看護師が幅広い経験をして、柔軟な発想で新しい健康支援の形を生み出す・・・そんな”かけ合わせ”の時代に変化しているんだね・・・!
だから看護師+αの人には「週の半分は看護師をしながら、残りの半分は自然食カフェをやりつつ健康相談ができたらいいな」とか「youtubeで健康啓発メッセージをエンタメ要素満載で発信したい」とか「心理学や自己分析を学んでゆくゆく病院でメンタル研修をやりたい」とか・・・どこかで”看護と結び付ける”ことを考えている人が多いんだよね。
色んな人がそれぞれ別の仕事や業界を経験することで、これからは看護師の世界にも今までになかった新しい取り組みや発想、働き方が増えていくんじゃないかな~
☑【看護師+α】の人たちは看護の「心」をもち、知識やスキル・自分らしさを活かして人の健康や幸せな人生を支える活動をしている
☑アプローチの仕方は多種多様で、病気よりも「その人がどう幸せに生きるか」に視点を置いている
☑病院の外で「病院に行く必要がある人を減らす」活動を通して、病院の医療や看護業務の軽減・医療費削減に寄与している
看護師+αはどれくらいいるの?どういう形で働いているの?
☑ごくごく少数派であり、一人ひとり全く違う働き方をしている
☑看護師として働きながら+αの活動をしたり、フリーランスとして働いている人が多い
☑単発やパート・復職が比較的容易な看護師は、実はフリー・プチ起業家を目指す人にとって最強・万能の資格
☑医療・介護制度が崩壊したときに備えて、+αのスキルや経験値を磨く人が増加中
ちなみに今までの時代の名残りだとは思うけど、「看護師=病院」だと思っている人たちには、こういう【看護師+α】やクリニック・施設で働く看護師たちに対して「現役ナースだと言えるのは、病院・臨床で働いてる人」と線引きをしてしまう方が多いんだ・・・。
そして施設や在宅で働く看護師も「急性期でダメだったから・・・」「現場からは離れちゃって・・・」と、病院以外で働く自分を否定してしまう。
看護師+αの人たちは【病人を減らすこと≒医療費や医療・介護ニーズを減らすこと≒看護師の業務を減らすこと】に目を向けているのに・・・それで否定されたら悲しいよね。
世間では「働き方改革」が推進され、日本看護協会でも「看護師の働き方改革」について方針を打ち出している。
ただ、今の社会の状況じゃいつ医療・介護制度そのものが破綻してもおかしくない。
病院という受け皿がなくなったとき、生活の中での予防・在宅での治療のニーズは一気に膨れ上がるよね。
そのとき、本来患者になるはずだった人が行く先はどうなると思う・・・?
そして病院が減っていくとしたら当然、看護師や医療者の働く先も変わってくるよね?!
だから看護師+αの人たちは、医療の供給バランスが崩れたときに備えた活動をしてるんだよね。とはいえ、それは今までになかった働き方。新しい考えだし、まだできていない道を創りながら進んでいる人がほとんどだから、うまくいくかいかないかが見えない世界ではあるんだ。
けど、その+αの挑戦・活動ができるのは【看護師】という最強・万能の全国フリーパス資格があるから。
「ぜひ明日からでも働いてください」なんて職場もまだまだあるし、パートから単発派遣まで柔軟な働き方があって、給料相場だって普通の一般のアルバイトよりはずっと高い。
こんな職業・・・なかなかないよね?!
もしかして看護師って、最強・万能の資格なんじゃ・・・?
さっきも言ったようにいつ医療が本格的に崩壊するか分からないから、看護師の売り手市場はいつまで続くか分からないし、病院はこれから減っていくと思う。
でも、必要な医療がある限り病院はゼロにはならないしできない。
だから今後は、病院にはスペシャリストとして活躍できる看護師が残っていって「高度な急性期医療」と「生活の中での健康活動(訪問看護、健康支援)」みたいに色分けがしっかりされていくんじゃないかな?
病院・臨床の看護師って、他のどんな仕事にも負けないくらいの臨機応変なマルチタスクに対応して、同時に思いやりや気遣いをして・・・って本当にすごい存在だよね。
そう考えると、病院の看護師も、病院以外の場所で働く看護師も、看護師+αの人も・・・みんな「誰かの健康や幸せのために」仕事をしているんだよね。
それぞれが自分に合った場所で力を発揮して、お互いに尊敬し合いながら幸せに働いていけるといいよね~~~
最前線で急性期医療を担う病院の看護師もカッコイイし、生活に寄り添って幸せな最期を支える看護師も魅力的。
だけどその働き方が本人に合ってなくて、無理をして自分に合わない働き方をして看護師自身が疲弊してるのっていいことかな?苦しそうに働いてたら、その看護師の周りの人や患者さんは本当に嬉しいかな?
”看護師”でも”看護師+α”でも・・・その人が自分に合った働き方ができるのがきっと一番いいよね。
さまざまな視点から人の人生の質・QOLにアプローチをする看護師が増えれば、個人・組織・社会全体の健康意識の変革にもつながると思うんだ。
これからの時代はもっと、自分に合った多様な働き方ができる人が増えることでお互いに働きやすい社会になっていくはずだよ~
看護師+αが「看護師だけど看護師じゃない。でも、看護師」って人たちだって理由が分かった気がするよ~
今はバラバラな活動に見えても、健康の本質を考えられる人たちなら「進んだ先で合流」ってつながりそうだね。
いつか点と点がつながって、線になって、いつか大きな円や新しい形が生まれますように。
【看護師じゃない看護師】の活動やその軸にある想い・・・伝わりましたか?
社会情勢が目まぐるしく変わる現在、本当にいつ医療・介護制度が完全崩壊するか分かりません。
どんな働き方・生き方を選ぶのも「個人の選択・責任」の時代になってきています。
そんな中で「”自分は”どう働くのか?」「どう納得して幸せに生きていくのか?」
これからの時代を生きる人に問われる人生の本質ではないでしょうか。
こうして発信していくことが、読んでくれた方の役に立てば幸いです。
*I for me♡マイセルフケア~あなたはあなたのために。私は私のために*