「忙しい看護学生さんの勉強を少しでも楽にできたらいいな」
「事前学習・実習・国家試験対策に役立つ情報が気軽に調べられたらいいな」
そんな思いから「毒茄子(毒ナース)」は生まれました。
毒茄子の勉強部屋では、
「手元に教科書がないけどちょっと検索して見たい情報がある」
「レポートにまとめるときに参照したい」
といったときに教材・ノート代わりに活用して頂けるものを目指しています。
今回は母性看護の【分娩期の看護】要点まとめです。
Contents
分娩期の看護
産痛緩和のための身体的ケア
・タッチング/マッサージ/圧迫法/指圧
緊張している部位にタッチすることにより、産婦にその情報を伝え、リラクセーションを促す。
・温罨法
血液循環がよくなることによる筋緊張の緩和や、疼痛に対する感受性の低下
による効果
・冷罨法
感受性の低下、麻痺による求心性神経の刺激伝達を遅延させることによる効果
・温水の利用
血液循環の促進により筋緊張を緩和させる。
足浴、シャワー浴、入浴などで温水を利用させる。
・アロマテラピー
・情緒的支援
看護師や夫、家族の援助による不安と緊張の軽減
産婦が自分で行う産痛緩和
・呼吸法
・産痛への注意を呼吸に集中させることにより、産痛を感じにくくなる
・ゆったりとした呼気に集中した呼吸による副交感神経の亢進
・呼吸により筋の緊張が弛緩することによる産痛の緩和
・体位の工夫
・同一体位で過ごすと特定部位の圧迫・緊張から、産痛を強く感じることがある
ため、産婦が自由に楽な体位をとることにより、産痛を緩和させる。
・安楽な体位、自由に動くことにより、産痛を緩和させる
・歩行は分娩進行に有効である
・クッションや分娩椅子、アクティブチェアなどを活用する
分娩第1期でできる支援
・水分・栄養補給
・分娩は長時間で、多量のエネルギーを消費する。
低血糖による微弱陣痛や、水分摂取不足による脱水など、栄養不足な状態ではさまざまな
リスクがある。
・効率のよいエネルギー摂取として、水分・単糖類・二糖類など消化がよくエネルギーとして
取り込みやすい食品が好ましい。
・産婦の好みなどを優先しながら、少しずつ摂取する。
・あたたかい飲み物(ミルクティー、ココアなど)や、一口大のおにぎり・サンドイッチなどは、
陣痛間欠時に食べやすい。
・陣痛が頻回になると、半流動食などが摂取しやすい。アイス、ゼリー、プリン、チョコレート、
バナナなど、糖分が多く高カロリーなものなどがよい。
・柑橘類や炭酸飲料は、吐き気を誘発することがあるため注意する
・飲み物はストローや吸い飲みなどを用い、産婦が起きあがらなくても飲めるよう配慮する
・排泄
・膀胱・直腸の充満は、胎児の下降を妨げる
・便秘が続いている場合は浣腸を行うこともある(浣腸後の努責に注意)
・自然排尿をできる限り促し、原則3時間ごとの排尿をはかる
・睡眠、休息
・眠りたいときは眠ってもかまわない。
休息をとることにより、疲労が回復し分娩のための体力が保持される。
・入浴、足浴、シャワー浴により、身体の緊張をほぐし全身の血液循環が促進される。
分娩第1期の活動期(子宮口開大3~7cm)の看護
・子宮口が3cm以上開大すると、陣痛も本格的になり、陣痛間欠4~5分、発作30秒と安定する。
・この時期は、子宮収縮が頻回になり痛みが増強し、食欲の低下や産痛の増強により、自主的に動か
なくなり、セルフケア不足となりやすい。
・胎児心音の聴取は30分に1回行い、進行に伴い15分に1回と頻度を増やしていく。
・仰臥位低血圧症候群の予防のため、仰臥位で30分以上過ごすことは避ける
・呼吸法の確認や、体位変換・リラクセーションのための援助をする
・分娩経過の説明などを行い不安の軽減を図る
分娩第1期活動期の終盤(子宮口7~8cm以上全開大まで)の看護
・陣痛間欠が2分と頻回になり、子宮収縮が強くなる
・努責感が強くなるが、子宮収縮の頂点で、規則的な浅い呼吸をして力を抜く努力を促す
・痛みや不安・恐怖により、産婦は刺激に過敏になり、努責を制御できなくなり、精神状態が不安定
になりやすい
・子宮口7~8cmになると、経産婦では分娩時刻が予測され、分娩室へ移送となる。
初産婦の場合は、約1時間後に全開大すると予測される。
・この時期は産婦・胎児の観察を継続して行い、産婦の欲求や意思を受け止めながら、
タッチやマッサージ・圧迫によって全身のリラクセーションを図る。
・分娩が進行していることを産婦に伝え、産婦や家族の頑張りを称賛する。
・破水直後や努責のあとには、必ず胎児心音を測定する。
分娩第2期の看護
・胎児娩出まであと30分~1時間と予測されると、分娩室への移送となる
・分娩室の環境調整、新生児を保温する物品の準備、処置・蘇生機器の準備・点検
・間欠時に冷たいタオルなどで汗を拭く
・発汗を抑えて体熱感を軽減させる目的で、うちわで風を送る
・水分補給を促す
・児の急激な娩出を防ぐために、努責から短速呼吸に切り替えるよう誘導する。
(分娩介助者の指示に合わせ、手を添えて短速呼吸を言葉で誘導するなど)
短速呼吸:小刻みに「ハッハッハッハッ」と息を吐いて、努責を回避する。
分娩第3~4期の看護
・分娩後2時間は、基本的に安静に過ごす
・分娩直後の子宮底は臍下2~3横指以下となり、子宮がかたく触れる
・産婦は力を抜いて両下肢の膝を立て、開脚にしたままの姿勢でいるよう指示される。
これにより自然な胎盤娩出が促される。
・観察項目は、子宮底の高さ、子宮底の状態、出血状態と出血量の測定、体温、脈拍、血圧など。さらに、後陣痛、縫合部痛、肛門通、悪寒、不快感などの訴えにも留意する。
・水分補給を促し、汗を拭きとり、清潔・保温をはかる
・子宮収縮が不良気味の場合は、子宮底の輪状マッサージや冷罨法を行う。
また、膀胱充満を避けるために、排尿の援助を行う。
・全出血量(分娩中~分娩後2時間までの出血量)が500ml以上になる場合は、異常出血。
ただちに医師に報告する。
・母子対面は、新生児の健康状態や保温に留意し、スキンシップや哺乳など、母親がわが子と
触れ合い交流できる機会となるよう援助する。
参考書籍・学生時代にお世話になった参考書/専門書たち
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