内分泌・代謝・免疫

【看護学生向】糖尿病:病態、分類、合併症、治療、薬、看護まとめ①

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「忙しい看護学生さんの勉強を少しでも楽にできたらいいな」

「事前学習・実習・国家試験対策に役立つ情報が気軽に調べられたらいいな」

そんな思いから「毒茄子(毒ナース)」は生まれました。

 

毒茄子の勉強部屋では、

「手元に教科書がないけどちょっと検索して見たい情報がある」

「レポートにまとめるときに参照したい」

といったときに教材・ノート代わりに活用して頂けるものを目指しています。

 

今回は、実習でも臨床に出てからも避けては通れない【糖尿病】について。

糖尿病とは

糖尿病は「インスリンの作用不足に基づく慢性の高血糖を主徴とする代謝疾患群」と定義されている。

糖尿病の分類

(1)Ⅰ型糖尿病

膵臓のβ細胞がなんらかの原因で破壊され、インスリン分泌が枯渇してしまうために生じる糖尿病。
自己免疫性のものと特発性のものに分類される。
インスリン治療が必須となる。

(2)Ⅱ型糖尿病

β細胞からのインスリン分泌不全と、インスリン抵抗性の双方によりもたらされた病態。
遺伝因子に加え、過食、運動不足、肥満、ストレス、加齢などさまざまな要因が関連し引き起こされる。

 

糖尿病の分類 1型糖尿病 2型糖尿病
発症機構 自己免疫を基盤とした膵β細胞の破壊。HLAなどの遺伝因子になんらかの誘因・環境因子が加わって起こる。他の自己免疫疾患(甲状腺疾患など)の合併が少なくない。 インスリン分泌の低下やインスリン抵抗性をきたす複数の遺伝子に過食(とくに高脂肪食)、運動不足などの環境因子が加わって、インスリンの作用不足を生じて発症する。
家族歴 家系内の糖尿病は2型の場合より少ない。 家系内血縁者にしばしば糖尿病がある。
発症年齢 小児~思春期に多い。中高年でもみとめられる。 40歳以上に多い。若年発症も増加している。
肥満度 肥満とは関係ない 肥満または肥満の既往が多い
自己抗体 GAD抗体、IAA、ICA、IA-2抗体などの陽性率が高い。 陰性

 

糖尿病の診断

※掲載時、2010年基準

血糖値の基準

正常 70~110mg/dl
正常高値 100~109mg/dl
境界 110~126mg/dl
糖尿病型 126mg/dl以上

 

糖尿病型の診断基準

血糖値(空腹時≧126mg/dl、OGTT2時間≧200mg/dl、随時≧200ng/dl のいずれか)

HbA1c(NGSP) ≧ 6.5% [HbA1c(JDS)≧6.1%]

75g経口ブドウ糖負荷試験(糖負荷試験)での血糖値

基準値を上回る場合は「糖尿病型」

OGTT2時間値:200mg/dl以上

HbA1c

基準値を上回る場合は「糖尿病型」

HbA1c(NGSP) 6.5%以上
HbA1c(JDS) 6.1%以上

 

糖尿病の合併症

(1)糖尿病性網膜症
(2)糖尿病性腎症
(3)糖尿病性神経障害

・・・血糖コントロールを良好に保ち、合併症を予防、進行を遅らせることが予後を左右する。

治療

食事療法、運動療法、薬物療法の三つの柱がある

(1)食事療法

年齢、標準体重、活動レベルなどから摂取エネルギーが決定される。

標準体重(kg)の算出方法

標準体重(kg)の算出方法

BMI 22 を基準とする方法 22 × {身長(m)2}

ブローカの桂変法 {身長(cm) - 100} × 0.9
加藤の式  {身長(cm) - 50} × 0.5
後藤の式  男性 身長(cm) × 0.6 - 38
女性 身長(cm) × 0.44 - 15

※ブローカの桂変法で身長150 cm 以下の場合は、身長(cm) - 100 を標準体重とする

 

 

日常の労作の程度と消費エネルギー

労作の程度 職種や状態 1日の消費エネルギー/
標準体重(kg)
軽い 高齢者、専業主婦(乳幼児保育なし)、管理職、一般事務職(短距離通勤)、研究職、作家 25 ~ 30 kcal
中等度 主婦(乳幼児保育)、外交・集金員、一般事務(長距離通勤)、教員、医療職、製造業、小売主、サービス業、販売業、輸送業 30 ~ 35
やや重い 農耕作業、造園業、漁業、運搬業、建築・建設業 35 ~ 40
重い 農耕・牧畜・漁業ハイシーズン、建築・建設作業現場、スポーツ選手 > 40

 

栄養素の配分(エネルギー量あたり)

・炭水化物 55 ~ 60%
・タンパク質 標準体重1kgあたり1.0 ~ 1.2g(1日50~80g)
・脂質 残り
・食物繊維の多い食事を推奨

食品交換表

80 kcalを1単位として、食品の1単位相当の重量と目安量を示したもの。

食品の分類 食品の種類 1単位(80 kcal)あたりの栄養素の平均含有量(g)
炭水化物 タンパク質 脂質
Ⅰ群 おもに糖質を含む食品群 穀類:穀物、いも、糖質の多い野菜と種実、豆(大豆を除く) 18 2 0
くだもの 20 0 0
Ⅱ群 おもにタンパク質を含む食品群 魚介、肉、卵、チーズ、大豆とその製品 0 9 5
牛乳と乳製品(チーズを除く) 6 4 5
Ⅲ群 おもに脂肪を含む食品群 油脂、多脂性食品 0 0 9
Ⅳ群 おもにビタミン、ミネラルを含む食品群 野菜(炭水化物の多い一部の野菜を除く)、海藻、きのこ、こんにゃく 13 5 1

※1単位は 80 kcal 消費相当

(2)運動療法

運動療法によりインスリン抵抗性を軽減し、糖尿病の進展、種々の合併症の抑止することを目的とする。有酸素運動が効果的で望ましい。

 

運動エネルギー交換表

運動の強さ 1単位あたりの時間 該当する運動とエネルギー消費量(kcal/kg/分)
非常に軽い 30 分間程度 散歩 0.0464、 乗り物(電車・バス立位) 0.0375、炊事 0.0481、家事(洗濯・掃除) 0.0471~0.0499、 一般事務 0.0304、 買い物 0.0481、 草むしり 0.0552
軽い 20 分間程度 歩行(70 m/分)0.0623、 階段(降りる) 0.0658、 雑巾がけ 0.0606、 ラジオ体操 0.0552 ~ 0.1083
中等度 10 分間程度 ジョギング(軽い) 0.1384、 階段(登る) 0.1349、 自転車(坂道) 0.1472、 登山 0.1048 ~ 0.1508、スケート 0.1437、バレーボール 0.1437、 歩くスキー 0.0787 ~ 0.1348
強い 5 分間程度 バスケットボール 0.2588、 水泳(平泳ぎ) 0.1968、 マラソン 0.2959、 なわとび 0.2677、ラグビー(フォワード) 0.2234、 剣道 0.2125

 

(3)薬物療法

・Ⅰ型糖尿病…インスリン治療が必須

・Ⅱ型糖尿病…食事・運動療法で血糖コントロールが保たれない場合、 経口糖尿病治療薬、インスリン療法が検討される

 

経口血糖降下薬まとめ

分類 名称 主な特徴 主な適応
インスリン分泌促進薬 スルホニル尿素薬(SU薬) 膵β細胞に働き、インスリン分泌を促進する ・一般には経口血糖降下薬の中で最も強力
・食後血糖の選択的低下は期待できない
・空腹時高血糖が顕著
・非肥満の適応によい
速効型インスリン分泌促進薬 グリニド薬 フェニルアラニン誘導体  ・食直後のインスリン追加分泌上昇・インスリン分泌パターンの改善・SU薬に比べ、低血糖をきたしにくい ・食後高血糖(軽症2型糖尿病)
ベンジルコハク酸誘導体
糖吸収調整薬 α-グルコシダーゼ阻害薬(α-GI) ・食後の急激な血糖上昇を抑制
→高血糖刺激によるインスリン分泌も抑制
・食後高血糖
インスリン抵抗性改善薬 チアゾリジン誘導体 ・脂肪細胞のインスリン抵抗性惹起物質分泌を抑制
・肝臓・筋のインスリン抵抗性改善
・インスリン抵抗性を呈している例(主に肥満2型糖尿病)
ビグアナイド薬 ・肝臓:糖新生抑制による糖放出抑制
・小腸:糖吸収抑制
・筋・脂肪組織:糖取り込み率増加・インスリン抵抗性改善
・インスリン抵抗性を呈している例(空腹時血糖値が高い例)

 

インスリン注射薬まとめ

分類 作用発現時間 最大作用発現時間 作用持続時間 性状 役割
インスリンアナログ 超速効型 ヒューマログ注 15分以内 0.5~1.5時間 3~5時間 無色透明 インスリン追加分泌を代替する
ノボラピッド 10~20分 1~3時間 3~5時間
混合型(二相性) ノボラピッド30ミックス注 10~20分 1~4時間 18~24時間 白色懸濁 インスリン追加基礎両方の分泌を代替する*ノボラピッド30ミックスは二相性とも呼ばれる
ヒューマログミックス25注 15分以内 0.5~4時間 18~24時間
ヒューマログミックス50注 15分以内 0.5~6時間 18~24時間
中間型 ヒューマログN注 0.5~1時間 2~6時間 18~24時間 インスリン基礎分泌を代替する
持効型溶解 ランタス注 1~2時間 ピークなし 約24時間 無色透明
レベミル注 約1時間 3~14時間 約24時間
ヒトインスリン 速効型 R注 約30分 1~3時間 約8時間 インスリン追加分泌を代替する
混合型 30R注 約30分 2~8時間 18~24時間 白色懸濁 インスリン追加・基礎両方の分泌を代替する
40R注
50R注
中間型 N注 約1.5時間 4~12時間 18~24時間 インスリン基礎分泌を代替する

 

文字数が膨大になってきたので・・・糖尿病の看護は次の記事へ続きます。

【看護学生向】糖尿病:病態、分類、合併症、治療、薬、看護まとめ②糖尿病の病態・治療からの続きになります。 糖尿病患者の看護 (1)心理面への援助 糖尿病に伴う心理的反応(否認・怒り・抑う...

 

参考書籍・学生時代にお世話になった参考書/専門書たち

 

 

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