病態/疾患

【看護学生向】脳梗塞:病態、治療、看護まとめ

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といったときに教材・ノート代わりに活用して頂けるものを目指しています。

 

今回は【脳卒中】のうちの一つ【脳梗塞】について。

脳梗塞、脳出血、くも膜下出血などは【脳血管疾患】【脳卒中】と呼ばれ、日本人の死因第4位の疾患となっています。

脳血管疾患は医療の進歩により死亡することは少なくなりましたが、脳への傷害が後遺症として残るために介護が必要となる最大の原因疾患となっています。

 

脳梗塞とは

脳の栄養動脈が血栓や塞栓によって詰まり、その潅流域に血液がいきわたらなくなった状態のこと。

脳卒中の中で最も多い(※1位脳梗塞、2位脳出血、3位くも膜下出血)

脳梗塞の分類/症状/治療

脳血栓 脳塞栓
アテローム血栓性脳梗塞 ラクナ梗塞
好発年齢 壮年・高年 壮年・高年 若年~高年
基礎疾患 糖尿病、高血圧、脂質異常症、喫煙 糖尿病、高血圧 心房細動などの不整脈、弁膜症など
前駆症状としてのTIAの有無 多い 中間 少ない
発症 安静時、睡眠時 安静時、睡眠時 日中活動時
発症様式 階段状、進行性 緩徐・突発の両方ともありうる 突発性
意識障害 あり(程度は軽い) ないことが多い あり(程度はさまざま)
治療 超急性期 血栓溶解療法(t-PA療法)
急性期 選択的トロンビン阻害薬 抗血小板療法 抗凝固療法
慢性期 抗血小板療法 抗凝固療法

 

看護

1)急性期の看護

急性期では救命、再発防止を目的として絶対安静となるが、その時期を過ぎるとできるだけ早期の離床を目指してリハビリテーションを開始する。病型や症状によって、医師から指示が出されるので、状態を観察しながらすすめていく。

(1)全身状態の管理

[1]安静度の確認

・脳梗塞の絶対安静時間は、原則として1日(24時間)
・医師の指示により、ベッドの頭側挙上、他動的関節可動域訓練などの指示が出される。
・指示が出たあとは、体位変換は2時間ごとに行う。
・麻痺がある場合は、麻痺側を下側にした完全側臥位は避ける。

[2]バイタルサインの確認

・脈拍の異常、血圧の急激な変動、呼吸パターンの変化、動脈血酸素飽和度の低下、体温上昇などがみられたときは、すみやかに医師に報告する。
・自力で痰を喀出できない場合もあるため、吸引器をセットしておく。 喘鳴や咳嗽がみられる場合などに施行する。

(2)輸液の管理

与薬を指示どおりの時間に行い、あわせて与薬中の状態の変化、バイタルサインの変化(血圧の急激
な低下など)、副作用などの観察を行う。

<選択される治療薬>
・抗凝固薬
・線維素溶解酵素薬(ウロキナーゼ、rt-PA)
・浸透圧利尿薬
・副腎皮質ステロイド

(3)体液管理

・水分出納量を把握する
→ 脱水や水分過剰、電解質異常を防ぐために、水分出納を観察する (尿・便、発汗・発熱、痰の量など)
・脈拍の観察
→ 発熱があるときや脱水・電解質異常時は脈が速くなる

(4)環境整備

・安全で静かな環境が必要
・けいれんや不穏状態では身体損傷のおそれがある。
・ベッドを低くしておく、ベッド柵をあげておく・柵をパッド等で保護するなどの配慮が必要。

(5)日常生活への援助

・急性期には安静が基本となり、身体には多くのチューブ類が挿入され、生命維持の処置がとられる。 行動が制限され、患者自身では日常生活動作が行えないため、身の回りのケアを含めた看護が必要である。
・再発作の防止のためには、血圧の変動への注意が必要である。

[1]運動

過度の安静による廃用症候群・褥瘡をおこさないよう、医師の許可が出されたら予防のための援助を行う。

・2時間ごとの体位変換
・他動的関節可動域
・エアーマットレス使用(除圧)
・足底板や枕の活用(尖足予防)

[2]排泄

<排尿>
・尿路感染予防のため、カテーテルはできるだけ早期に抜去する。
・抜去後に残尿がある場合は、間欠的導尿を行う。

<排便>
安静や食事制限により便秘傾向となりやすい。便秘は血圧を上昇させるため、定期的に排便がみられるよう援助する必要がある。

・医師の指示による薬剤の投与
・排便時の怒責を避けるよう指導
・急性期では、迷走神経の刺激による血圧上昇などを避けるため、浣腸は禁忌

[3]食事

・発症直後は食事は禁止
・絶対安静解除、内服開始となると、食事が許可される

<食事の援助>
・健側を下にして嚥下させる
・むせるときは、とろみをつける
・少量ずつ嚥下させ、口の中に食物残渣が残っていないことを確認しながら進める

[4]清潔

皮膚・粘膜、口腔内の清潔保持
・清拭、陰部洗浄
・スポンジブラシや綿棒などを使用し、口腔内の汚染を除去
・眼瞼閉鎖不全があるときは、角膜の乾燥を防ぐために湿らせたガーゼなどをあてる

[5]精神的援助

急性期には、環境の変化や安静、身体の障害の自覚などにより、患者の不安・イライラ・焦燥感が
高まる。

・患者の意識状態を把握し、不安が高まらないよう精神的な援助や声かけをしていく
・家族にも説明し、言動についての協力を得る

2)回復期の看護

回復期では積極的にリハビリテーションを行い、社会復帰を目指す。

(1)日常生活動作自立への援助

日常生活動作(ADL)のすべての自立を促す援助を行う。状態によっては家族の援助も求める。

[1]運動・移乗動作

麻痺・障害の程度に合わせて介助する。必要以上の介助は回復を妨げる。

[2]食事

・補助具の使用
・できるだけベッド上ではなく、車椅子に座ってできるようにする

[3]清潔処置

・できる限りシャワー浴などを行い、全身の清潔を保持する

[4]排泄

◎尿道カテーテル留置

・早期抜去のための膀胱訓練
・抜去後に残尿がある場合、間欠的導尿を行う(残尿50ml以下が目安)

◎便秘への援助

・食物繊維の摂取、水分摂取の促し
・効果がないときは、座薬や緩下剤の使用

(2)意思疎通への援助

言語障害があるときは、その種類を把握して、意思疎通がはかれるよう援助する

(3)精神的援助

回復期に入ると、リハビリテーションへの意欲が低下したり、依存傾向、抑うつ状態などがみられる。情緒障害があるときは、むりにリハビリテーションをすすめず、患者の状態に配慮して慎重に対応する必要がある。

(4)患者・家族への指導

回復期は、退院後の健康・疾患管理とリハビリテーションが中心となる。家族の状態も考慮しながら
互いが協力できるような環境をつくっていくことが必要である。

<指導内容>

①禁煙、節酒

②水分を十分に摂取する、長風呂は避ける

③家族にリハビリテーションを見学してもらうなどし、介助方法を指導する

④リハビリテーション部門との連携。退院後の福祉制度や介護保険の情報提供。

⑤服薬指導
・退院後も血圧降下薬や血栓予防薬の内服を続けられるよう、本人・家族へ指導

⑥家屋の改良・改修
・退院に向け、リハビリテーション部門・地域医療連携部門と協力しながら進めていく

⑦退院後の生活の準備
・訪問看護師による継続看護の必要性
・介護保険の申請
・緊急時における医療機関への連絡方法

 

参考書籍・学生時代にお世話になった参考書/専門書たち

 

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