「忙しい看護学生さんの勉強を少しでも楽にできたらいいな」
「事前学習・実習・国家試験対策に役立つ情報が気軽に調べられたらいいな」
そんな思いから「毒茄子(毒ナース)」は生まれました。
毒茄子の勉強部屋では、
「手元に教科書がないけどちょっと検索して見たい情報がある」
「レポートにまとめるときに参照したい」
といったときに教材・ノート代わりに活用して頂けるものを目指しています。
今回は【加齢による難聴、聴力障害】について。
病態:聴覚障害、加齢による難聴
概要/特徴
・難聴は、耳疾患の代表的症候である。
・加齢に伴う聴力の低下は、高音域で著明である。
・聴覚障害は、障害される経路によって、伝音性難聴と感音性難聴に分けられる。
難聴の種類
症状、特徴 | 原因疾患 | |
伝音性難聴 | ・外耳・中耳の障害により起こる ・両耳を手でふさいで話している状態に近く、明瞭に聞こえない ・聴力検査では、骨導聴力は正常で、気導聴力が低下 |
耳垢栓塞、外耳道閉塞、耳管機能不全、鼓膜外傷、中耳炎、耳硬化症、中耳奇形、外・中耳腫瘍 |
感音性難聴 | ・骨導聴力の低下があり、自分の声も聴取しにくい ・聴力検査では、気導・骨導聴力とも低下する |
内耳炎、薬物(スプレプトマイシン、カナマイシンなど)、中毒、音響外傷、内耳梅毒、メニエール病、突発性難聴、聴神経腫瘍、脳疾患、先天性ろう、老人性難聴 |
老人性難聴 | ・老人性難聴は、基本的に感音性難聴であり、内耳から中枢の傷害で発生する。 ・蝸牛内のコルチ器の加齢による障害、基底板の硬化などにより蝸牛の伝音系が障害される。 |
(悪化因子) 糖尿病、動脈硬化症、脂質異常症 |
治療
・老人性難聴は、治療によって回復を図ることはできない。
・現状では、補聴器を使用するのが基本であるが、補聴器には注意点や問題点がある。
<補聴器の難点>
・老人性難聴では、補聴器は音は大きくなるが、聞きたい言葉はわからず、雑音のみ大きくなるという訴えが多い。これは老人性難聴では内耳より中枢の神経が障害されているため、音の分別機能が低下しているためである。
・耳鳴りに加えて大きな音が増幅して聞こえる現象(リクルートメント)が起きるため、騒がしいところでの会話は聞き取りづらくなる。
※最近の補聴器は周波数別に音の大きさの程度を変えたり、大きすぎる音をカットするなど、技術が進歩してきており、使いやすい機器が開発されている。
看護
・難聴により危険回避がしづらく事故につながったり、精神活動が低下することがある。
・看護師には理解のある、受容的な態度で接することが求められる。
・ただ大きな声で話すだけでは、「難聴でもないのに、大きな声で話された」と憤慨する高齢者もいる。一人ひとりに合わせた声の大きさを見つけ、相手の表情や反応を見ながら、語尾をはっきりと話すとよい。
・自分の表情が伝わるような位置で話したり、耳元でふつうの声で話すなど、相手に合わせて配慮する。
・雑音の少ない静かな環境で話す。
参考書籍・学生時代にお世話になった参考書/専門書たち
管理人は第105回看護師国家試験受験者です。そのため記事に掲載されているのは、管理人が看護学生だった当時にまとめていたノートやレポートからの情報です。
ご自身の学習に自由に活用して頂いて構いませんが、書いてある内容をきちんとご自分で確認し、各自の自己責任の元で活用をお願いします。
内容の不備・使用に関するトラブルについて、運営では一切の責任を負いかねます。