「忙しい看護学生さんの勉強を少しでも楽にできたらいいな」
「事前学習・実習・国家試験対策に役立つ情報が気軽に調べられたらいいな」
そんな思いから「毒茄子(毒ナース)」は生まれました。
毒茄子の勉強部屋では、
「手元に教科書がないけどちょっと検索して見たい情報がある」
「レポートにまとめるときに参照したい」
といったときに教材・ノート代わりに活用して頂けるものを目指しています。
今回は、精神障害者の精神症状についてまとめてみました。
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精神障害者の精神症状
知覚の障害
症状 | 症例 | |
錯覚 | 実在するものを誤って知覚すること | |
幻覚 | 実在しないものを知覚すること | |
*幻聴 | 音、声など。患者は現実と区別がつかずに、聞こえてきた声と会話したり、命令に従ってしまうことがある。 | |
*思考化声 | 自分が考えていることが声になって聞こえる。 | 統合失調症 |
*幻視 | 実在しないものが見える。意識混濁を伴っていることが多い。 例:振戦せん妄時に、虫や小動物が這い回っているのが見えるなど |
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*幻触 | 触覚に関する幻覚。触られている感覚など。 | |
*体感幻覚 | 脳が溶けている、背骨が虫に食べられている、といった感覚が生じる。 | |
*幻臭 | 実在しない異様なにおいを感じる。 | |
*幻味 | 不快な味を感じる。被毒妄想につながることが多い。 |
思考の障害
症状 | 症例 | |
思考奔逸 | 考えが次から次へ浮かぶが一貫性がなく、まとまらない | 統合失調症 |
思考抑制 | 考えが進まず、話が進まず結論に達しない | うつ病 |
思考途絶 | 会話中に考えが突然途絶え、黙り込んでしまう。しばらくするとまた話し始めたりする。 | 統合失調症 |
滅裂思考 | 一つ一つの考えがばらばらで結びつきがない。極端になると前後の単語にも関連がない(言葉のサラダともいわれる) | 統合失調症、意識障害 |
妄想(思考内容)の障害
症状 | 症例 | |
一次妄想(真性妄想) | その生じ方が了解できない妄想 | 統合失調症 |
*妄想気分 | はっきりとしないが、何かただならぬことが起きそうだというような、不安・恐怖。進展すると世界没落体験(この世が終わるという思い)に至る。 | |
*妄想知覚 | 知覚されたものに対して、直感的に独自の意味づけをするが、それが理論的にも感情的にも了解できないもの。 例:たまたま見かけた女性を自分の恋人だと確信するなど |
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*妄想着想 | 突然浮かんだ思いを事実と確信する。 例:自分はキリストだと思いつき、信じて疑わないなど |
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二次妄想(妄想様観念) | 感情状態などから、ある程度なりたちが理解できる妄想 | |
*被害妄想 | 他人から害される、いじめられると考える妄想。 [関係妄想][注察妄想][追跡妄想][被毒妄想]など |
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*微小妄想 | 自分を必要以上に過小に評価する妄想。 [貧困妄想][罪業妄想][心気妄想]など |
うつ病 |
*誇大妄想 | 自分が他人より優れているとい過大評価する妄想。 [血統妄想][宗教妄想][恋愛妄想]など |
統合失調症、 躁状態 |
自我意識の障害
症状 | 症例 | |
離人感 | 自分が何かをしているという実感が沸かない、現実感がない、自分の体が自分のものという感じがしない、など | 統合失調症、うつ病、神経症 |
作為体験 | 自分の思考、感情、意欲、行動が、外部からさせられ操られていると感じる症状で、能動性の障害によるとされる。 | 統合失調症 |
解離 | 不安状態におかれたとき、無意識的に外界との接触を断つ(心の防衛機制が働いたもの)。ヒステリー性のもうろう状態、昏迷、多重人格などの症状を呈する。 |
感情の障害
症状 | 症例 | |
感情鈍麻 | 人間らしい豊かな感情が失われた状態。重度の場合は、周囲への関心がなくなり、無関心で人間らしい行動がのろく、自発的な行動が失われる。 | 統合失調症(陰性症状) |
感情失禁 | 情動のコントロールができず、わずかな刺激で強い感情が表れる。 | 血管性認知症など |
両価性(アンビバレンス) | 同一の対象に対して、愛情と憎しみといった、まったく相反する感情を同時に抱く。 | 統合失調症 |
意欲・行動の障害
症状 | 症例 | |
亢進 | まとまりのない状態、興奮状態。 [躁病性興奮][緊張病性興奮]などがあり、攻撃的な行動に発展しやすい。 |
躁状態、統合失調症 |
低下 | ||
*無為 | 自発的に目的をもったまとまりのある行動ができない状態 | |
*抑制 | 何かをしなければならない意志はあるが、思うように行動できない | |
*昏迷 | 周囲からの刺激に反応せず、行動がまったくない。意識は保たれており、周囲の状況を察知している。 | うつ病など |
意識障害
症状 | 症例 | |
意識混濁 | 意識の清明度が量的に低下した状態を総称したもの | |
*昏蒙 | 軽い意識混濁の状態で、ぼんやり・うとうとしていて周囲の状況をよくつかめていない。刺激を与えると目覚めたり話をすることができる | |
*昏眠 | 強い刺激を与えると一時的に気がつくが、すぐにまたうとうとと眠ってしまい、まとまった行動がとれない | |
*昏睡 | どんなに強い刺激を与えても、まったく反応しない | |
意識障害の特殊型 | ||
*せん妄 | 軽い意識障害のうえに、錯覚や幻覚(主に幻視)が加わるもの | アルコール依存性の振戦せん妄時など |
*アメンチア | 軽い意識混濁のうえに、まとまった思考ができない(思考錯乱)。本人にもある程度自覚があり、困惑状態を伴う。 | |
*もうろう状態 | 軽い意識混濁で、一見言動にまとまりがあるようにみえるが、場にそぐわない不自然な行動になる。 |
免責事項について|
管理人は第105回看護師国家試験受験者です。そのため記事に掲載されているのは、管理人が看護学生だった当時にまとめていたノートやレポートからの情報です。
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