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毒茄子の勉強部屋では、
「手元に教科書がないけどちょっと検索して見たい情報がある」
「レポートにまとめるときに参照したい」
といったときに教材・ノート代わりに活用して頂けるものを目指しています。
今回は【白内障】について。
Contents
白内障とは
白内障は、水晶体が混濁した状態をいう。
水晶体は瞳孔の後ろにあるので、水晶体が強く混濁すれば、瞳孔が白くなってくる。
そのため、白内障は俗に「しろそこひ」といわれる。
老人性白内障について
原因
水晶体の代謝障害による一種の老化現象である。
成人および老人の白内障の大部分がこれにあたる。
症状
・水晶体の周辺部の混濁から始まるものが多く、初期には自覚症状はほとんどない。
・進行すると瞳孔部分が混濁してくるため、視力障害が起こる。
・水晶体の中心部から混濁が始まった場合は、初期から視力障害が起こる。
治療
・初期には薬物療法が行われる。
・日常生活に支障があれば、手術が行われる。
治療:白内障手術
白内障手術は、混濁した水晶体を摘出するのが目的である。
白内障手術の術式
1)超音波水晶体乳化吸引術(PEA)
大多数の白内障手術は、通常この方法による。
手術後、残った後嚢が濁って視力が障害されるものを後発白内障といい、YAGレーザーで切開する。水晶体は凸レンズのはたらきをしてるため、摘出後は眼内レンズ(IOL)の移植が必要である。眼内レンズは合成高分子でできていて、後房レンズと前房レンズがあるが、通常は後房レンズを用いる。
2)嚢外摘出術(ECCE)
創口を大きく開け、水晶体の核をそのまま摘出する方法。 白内障が非常に進行し、核がかたくなって超音波での破砕が困難な場合に行われる。
3)嚢内摘出術(ICCE)
全摘出術ともいう。 水晶体の嚢を含めて、水晶体全部を摘出する方法。
冷凍手術装置を用い、水晶体嚢を冷凍して摘出する冷凍摘出法が行われる。
チン小体が断裂しているなど、特殊な症例に行われる。
4)吸引術
小児の水晶体は核がないので、水晶体内容を吸引するだけでよい。
白内障患者の看護:術前、術後
術前
(1)術前オリエンテーション
・入院や手術に対する認識度を確認しながら、対象に合わせた説明を行う
・不安に思っていることを表出できるよう促し、不安の軽減につなげる
(2)安全・安楽
・白内障による視力低下、羞明・霧視などの症状、慣れない環境により、危険回避能力が低下している可能性がある。
・入院時の病棟・病室の構造の説明、ナースコールの促し、環境整備などにより、危険を回避し安全に過ごせるよう配慮する。
術後
(1)術後合併症の予防、早期発見
・感染予防のため、術後の点眼薬・内服薬を確実に投与できるようにする
・バイタルサインの変調、視力の低下、眼痛などの症状に注意して観察する
(2)危険回避、転倒・事故防止
・術後は眼帯を使用するため、視野や平衡感覚に変化をきたし、事故につながりやすい
・術後せん妄の出現の可能性がある
・ナースコールをしてもらい移動に付き添ったり、夜間は注意深く観察を行い、トイレ誘導を行うなど、事故防止につとめる
(3)退院後の生活の留意点の説明
・点眼薬の継続指導(自己点眼ができるか、管理能力があるか、家族の協力が得られるか)
・晩期合併症について説明し、異常症状出現時には早期に受診するよう説明する。
→後発白内障、眼内炎など。症状として視力低下、眼痛など。
・眼鏡合わせは、術後1ヶ月程度経過して目の状態が落ち着いてから行うよう説明する。
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