取材時期:2017年11月
未来な明日に向かって、自分らしい生き方や働き方を創造する看護師や個人・団体を紹介するコーナー【ミライナース】。こちらの記事は、前身となったウェブメディア【ミライナース】より記事を移転しています。
かったるくない?
社会人のみなさん、業務時間外での研修・セミナーに参加したことはありますか?
わたしはどちらかといえば勉強は好きなほうですが、研修やセミナーというと「めんどくさいな・・・」とどうしても思ってしまいます。
自分で望んでいくものや、趣味の分野のものならまだ気分が上がりますが、仕事関連のセミナーにわざわざ行くとなるとどうしても腰が重くなります。
そんなわたしでしたが今回、看護師による看護師のためのセミナーとして行われた「看護師の後輩指導術セミナー」に取材でお邪魔することになりました。
すごいな~
すごいな~・・・(遠い目)
今、そう思った方・・・?!
そういうところに行く人を尊敬しつつも「めんどくさいな」「行ってその場では学んだ気でいても、あまり実践にはつながらないんだよな~」「後輩指導なんて学んでも、人間関係はそうそう変わらないでしょ~」「そもそも楽しいの?それ」と感じる・・・
そんな看護師の方・・・?!
今回のセミナーは「伝わる!つながる!即実践!みつけよう!自分らしい後輩指導術」・・・
わたしは、主催者の看護師さんの想いや人柄を知っています。
でも「本当に即実践につながるの?」と内心半信半疑でした。
ですが今回セミナーに密着してみて・・・正直、本当に感動しました。
あと参加者がすごく楽しそうだしすごく感動してるしすごく集中してるんだけど?!
こんなに熱くて真面目で、なのに楽しくてハッピー・・・こんなセミナーって他にある?!
これがたくさんの看護師さんに広まったら・・・日本中の看護師がもっと幸せに働ける!
しかもなんだか女子力高い!!!!
そんなわけで今回は、医療業界に新しい風を巻き起こすべく、熱い想いで開催されたセミナーの様子をお伝えしたいと思います!
Contents
- “セミナーといえば殺風景”そんなイメージをくつがえす!入った瞬間からモチベーションが上がる会場
- “今”からすでに変化が始まる!「自分らしい後輩指導術」を教えてくれる現役看護師の講師
- まずはお互いを知ろう!一人ひとりが主役、みんなでつくっていく参加型セミナーで思わず笑顔に♡
- 看護師を続ける理由も辞める理由も人間関係にある!後輩を心配しない先輩はいない、それでもすれちがう想い
- ブレイクタイムもぬかりなし♡女性同士だからできるおもてなしで、女子力アップ!
- 「看護史タイムライン」でこれまでの自分を振り返る!過去から現在、そして自分らしい未来へ
- みんなでシェアしよう!”私らしい”後輩指導術
- 大切な”気づき”を明日からの実践へ!自分から隣の人、チーム、病院全体に・・・日本中に届けたい想い
“セミナーといえば殺風景”そんなイメージをくつがえす!入った瞬間からモチベーションが上がる会場
なんか・・・
会場のオシャレ感がハンパないんですけど・・・?!
私はセミナー会場というと“白い壁”・”細長い会議テーブル”・”なんか固くて疲れる椅子”を思い浮かべます。
はぁ・・・どれだけ真面目なのよ、私・・・
勉強会やセミナーって・・・内容以前にモチベーション、大事じゃないですか?
職場で必要だからと申し込む場合や自主的に申し込む場合など、参加する理由はさまざまだと思いますが、正直・・・当日ワクワクしながら参加することは少ないのではないでしょうか?
でも「看護師による看護師のためのセミナー」では、会場に入った時点からなにかが違う・・・?!わたしはこの会場から、開催者から参加者へのおもてなしの心を感じました。
インスタ映え、まちがいなし♡
わたしはキラキラした写真撮るの・・・苦手だけどねw
“今”からすでに変化が始まる!「自分らしい後輩指導術」を教えてくれる現役看護師の講師
素敵な空間で、期待度もアップ・・・!
講師をつとめるお二人の看護師さんを紹介します。
“黒歴史”からの脱出?!後輩指導が苦手だったからこそ伝えたいこと!看護師・メディカルコーチの「ハルちゃん」
【講師プロフィール】ハルちゃん
吉田 千春 看護師・メディカルコーチ
一般社団法人メディカルイノベーションデザイン協会 代表理事
これまでにCCUや高度救命救急センターなど、急性期看護を経験してきたエキスパートナース。現在は都内の医療センターで手術室に勤務。自身が対人関係で苦しんだ経験からコーチングを学び、「”看護師を辞めたい”という声を減らしたい!」と医療現場のコミュニケーション改善を目指すメディカルコーチとして活動を始める。一般社団法人メディカルイノベーションデザイン協会(通称MID)を設立し、代表理事をつとめる。
現在も医療センターで看護師として働きながら「対話を通じて、医療業界に新たな風を!」との熱い想いを胸に、院内・院外を問わず幅広く活動している。
職場に新しい部門をつくったり院外でもセミナーを開催したり・・・
「看護師の労働環境を変えたい!医療業界に革命を起こしたい!」
そう本気で思い行動している・・・そんな熱いコーチ♡
以前、ミライナースとして紹介させて頂いたハルちゃん。今回は、法人設立後初のセミナー開催となりました。
ハルちゃんを優しく(?)イジる!包み込むような笑顔がまぶしいお姉さん♡「ユカリっち」
【講師プロフィール】ユカリっち
井川 由香里 看護師・キャリアアップコーチ
株式会社チームダイナミクス パートナー
メディカルプラクティショナー
480床規模の大学病院につとめる現役看護師。救急分野でのコースディレクターをつとめるなど、院内外を問わず幅広く活躍する救急看護のエキスパートナース。
ウェルスダイナミクス・エニアグラムを基に個人の好み・強み、得意分野を発見し、ひとりひとりが”自分の価値”に気がつき、互いに認め合えるチームビルディングを実践。「最高のチーム医療を目指して」「過酷な医療現場においてキラキラと輝く医療従事者を増やすこと」をモットーに、医療現場での実績と深い経験を生かしたキャリア支援を行っている。
講師は二人とも現役バリバリのナース!
フルタイムで働きながら、院外でも精力的に活動するのは・・・本気の熱い想いがあってこそ♡
この日の流行語大賞?!二人が連呼していた”黒歴史”についてはのちほど♪
まずはお互いを知ろう!一人ひとりが主役、みんなでつくっていく参加型セミナーで思わず笑顔に♡
最初に行われたのは「好きなものクイズ」!共通点を探しながら、参加者同士でコミュニケーションを深めるワークです。
まずはハイタッチ♡からの・・・
「同じのある?!」
「あっ、これこれ一緒!」
「ひゃーっ、時間がない!」
嬉しいな~♡
みんなで拍手♡一番共通点が多かったのは?
今回、他の人との共通点が一番多かったのはこちらのお二人!
みんなで拍手!
お互いに拍手!
会場にいるみんなが一気に打ち解けたのが伝わります♡
看護師を続ける理由も辞める理由も人間関係にある!後輩を心配しない先輩はいない、それでもすれちがう想い
「仕事を辞めたい」ー7割強が仕事を辞めたいと思いながら働いている
仕事を辞めたいと「いつも思う」20.9%と「ときどき思う」54.0%を合わせると74.9%であり、7割強は仕事を辞めたいと思いながら働いている。辞めたいと「思わない」者は僅か16.4%しかいない。
(※医労連HP「2017年看護職員の労働実態調査」結果より、引用・抜粋)
看護師になろうと思ったきっかけは人それぞれ。それでも最初から「辞めよう」と思って働いている人はほとんどいないはずです。
ですが、新人看護師の全国の離職率は7.8%・東京都では9.9%だったそう。
そして新人看護師だけでなく、経験を積んだ看護師も次々に辞めていく現状があります。
新人看護師が辞める背景には「理想と現実のギャップ(リアリティショック)」「業務が合わなかった」などの理由もありますが・・・新人に限らず看護師の多くは「職場での人間関係の悩み」を抱えています。
ですが、元々看護師になる人の多くは“人の役に立ちたい”という想いを持っています。後輩にまったく関心がないという先輩は少なく、人に教えることが好きな人も多いです。
それなのになぜ、多くの看護師が人間関係に苦しみ・・・辞めていくのか?
そんな現状を変えていくために立ち上がったのが、ハルちゃんとユカリっちです。
誰よりも指導下手だった!後輩にブチギレたハルちゃんの黒歴史
後輩とどう関わったらいいか分からなくなっていました。
怖い、何を考えているか分からない・・・誰よりも私自身が、そういう先輩だったと思います。
当時、高度救命救急センターに勤めていたハルちゃんは、看護師が辞めて入れ替わる苦しい現場で、一刻を争う命と向き合う日々を送っていました。さらに新人を担当するプリセプターやリーダー業務など、責任と業務は増え続けます。
そんな後輩へのいらだちが積もりに積もって・・・たった一度だけ業務中に後輩にブチギレてしまったことがあります。
患者さんもいるフロア内で、周りが静まり返りましたね・・・
すごく恥ずかしい黒歴史です・・・!
当時を振り返りながら語るハルちゃん。
真剣に聞く参加者達。笑うことはあっても、そんな黒歴史を聞いて馬鹿にする看護師はひとりもいません。
誰もが、そんな状態に陥っていく苦しさとつらさを知っているからです。
後輩を気にかけていないわけではない・・・それでも、丁寧に指導する余裕がない・・・。命を扱う現場で、厳しく指導しないといけない場面もある・・・だんだんとお互いのコミュニケーションが減り、すれ違う・・・。
そんな状況では、後輩指導はおろか自分の感情のコントロールすらままならなくなり、自分がイライラしていることで相手もイライラする・・・そんな悪循環に陥ってしまいます。
会話の主導権は聞き手にある!”相手に関心を持ち、相手より少しだけ良い状態で”向き合い方ひとつで関係性は変わる
そういとき、実は意識は自分に向いています。
「教えなきゃ!」「伝えなきゃ!」と一生懸命になるあまり、相手が関心のない状態でも話してしまう・・・関心を失わせてしまう・・・。忙しい現場で起こりがちなことかもしれません。
傾聴は聴き方のスキルではなく“向き合い方”
相手に意識を向けて、“相手に関心を持って聞く”ことで、自分の気持ちも相手の気持ちも結果として上がってきます。
自分に余裕がないのに、余計時間がかかりそうじゃん・・・!
無駄無駄・・・!
もしかしたら、そんな風に感じる方もいるかもしれません。ですがそれは、自身で体験していくことで実感することができます。
劇的ビフォーアフター?!ペアワークで話しながら一緒に学ぶ!即実践、聞き方のワーク
まず最初に、相手の話へのリアクションを少なくする、冷たい表情、あいづちをしない・・・片方の人にあえてそんな態度を取ってもらいます。
(へ~・・・そうなんだ・・・)
(あれっ・・・この話、興味ない???)
話しているほうも、聞いているほうも・・・だんだんと会話のトーンが下がり、口数が少なくなり、表情が乏しくなっていくのが分かります。
それが、聞き方のポイントをふまえたコミュニケーションを実践してみたところ・・・
“百聞は一見に如かず”・・・
コミュニケーション技術は、いくらノウハウを学んでも実践しなければ実感できないものです。その場で実践しながら誰かと一緒に学び、共有する・・・こうして自ら体験することは教科書を百回読むよりもずっと、現場での実践に生きるのではないでしょうか?
ブレイクタイムもぬかりなし♡女性同士だからできるおもてなしで、女子力アップ!
ドライフルーツにチョコレート、そしてシフォンケーキ・・・思わず表情がほころびます。
食べるよね。これは食べるよね。
でも、実は誰より喜んでいるのは・・・講師のユカリっち?!
講義内容は盛りだくさんだけど、“相手に意識を向けた配慮”に脱帽です♡
「看護史タイムライン」でこれまでの自分を振り返る!過去から現在、そして自分らしい未来へ
(なにが始まるんだろう。ドキドキ・・・)
看護”史”タイムライン。これは看護師になるまでの自分、なってからの自分・・・その過去と現在までを振り返り、“本当は”どうなりたいか?を探していくワークです。
仮想のタイムラインに沿って進んでいきます。
ペアワークをしながら、相手の看護史を聞き、自分の看護史を語り・・・
一歩一歩・・・
過去から現在へ・・・
そして現在から・・・
一歩、前へ。
未来に向かって一歩、踏み出します。
あなたは“本当は・・・何の制約も無かったら・・・“どんな先輩看護師になっていたい?
各々が、”自分らしい看護師像”を思い描きます。
“あなた”の理想は・・・本当に望む看護師像は・・・みつかりましたか?
みんなでシェアしよう!”私らしい”後輩指導術
思い込みを外し、まっさらな心で。話し、聴き・・・相手と対話をします。
一人ひとりが、”私”のこころに集中します。
みつかった”私らしい指導”をみんなでシェアします。
上手にまとまっていなくてもいいんです。
「ちょっと変かな?」そんなことを気にしなくていいんです。
お互いの価値観を共有することで視野が広がります。尊重し合い、お互いに拍手を贈ります。
大切な”気づき”を明日からの実践へ!自分から隣の人、チーム、病院全体に・・・日本中に届けたい想い
噛み合わない人間関係、すり減っていく心、お互いに届かない想い・・・そんな環境は医療・看護の質に大きく影響します。どんなに忙しくても、どんなにつらくても・・・それでも看護師を続ける人の多くは「いい医療・いい看護がしたい」という想いを持ち続けています。
だからこそ、まずは”自分”、そして目の前の”相手”と真摯に向き合える看護師をひとりでも増やすこと。そしてその”気づき”は隣の看護師へ、そしてまた隣の人へ・・・。そして組織・病院を変える力へ・・・。
そんなふうに病院が変われば、働く人の想いが変わります。そしてそれは「質の高い医療・看護」にも直結します。
“看護師を辞めたい”という声をなくしたいんです!
誰よりも自分自身が苦しみ抜いたハルちゃん。黒歴史を乗り越えてきたからこそ、その想いは誰よりも熱く、優しく・・・この場にいたすべての人に届きました。
ひとりではできない。だからみんなで!小さな一歩の積み重ねが未来を変える
病院を、社会を豊かにしていくために立ち上がったMIDは、まだ活動を始めたばかり。ハルちゃん・ユカリっちの熱意、誰よりも看護師を想う気持ち。そして気持ちだけではなく病院改革を実現するための実践方法・・・。
“この想いが日本中に届けば幸せに働ける看護師・医療従事者が増える、きっと病院を変えられる・・・”わたしは取材をしていてそう強く感じました。
コミュニケーション力と一緒に女子力まで上がっちゃう?!
会場選びからおもてなし、実践技術にいたるまで・・・参加する方への思いやりが溢れていたセミナーに、わたしは感動しきりでした。
「次回は私も行ってみたい!」と思った方は、メディカルイノベーションデザイン協会をフォローして最新情報をチェックしましょう♪
未来の医療・看護を本気で変えていく・・・熱い想いで突き進むハルちゃん・ユカリっち。
わたしはこれからの二人の活躍を応援していきます!
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