この三つの単語の組み合わせ・・・なんだか分かりますか?
”看護師”を含むインターネットの検索ワードで上位を占めるネガティブ三大ワードです。
この記事を読んでいるあなたも・・・もしかしてそんなキーワードを元に、この記事にたどり着きましたか?
この記事は、そんな悩める看護師の方に向けて
を見直し、”自分に向いている看護・働き方”を見つけるヒントにしてほしいと思い、まとめました。
それを知って、少しでも気持ちが軽くなるといいな♪
Contents
”看護”とは、”看護師”とは
看護師が向いてるとか向いてないとか、辞めるかどうかを考える前に・・・
まず「”看護”ってなんなのか?」「”看護師”ってなんなのか?」について改めて定義を見直してみましょう。
”看護”を改めて考える。そもそも看護ってなんだろう?
看護とは、あらゆる場であらゆる年代の個人および家族、集団、コミュニティを対象に、対象がどのような健康状態であっても、独自にまたは他と協働して行われるケアの総体である。
看護には、健康増進および疾病予防、病気や障害を有する人々あるいは死に臨む人々のケアが含まれる。
また、アドボカシーや環境安全の促進、研究、教育、健康政策策定への参画、患者・保健医療システムのマネージメントへの参与も、看護が果たすべき重要な役割である。
(日本看護協会訳、2002年)
日本看護協会 ICN 看護の定義(簡約版)より引用
「あらゆる場であらゆる年代の個人および家族、集団、コミュニティを対象に、対象がどのような健康状態であっても、独自にまたは他と協働して行われるケアの総体」が看護・・・
そう聞くと、別に医療・臨床の現場だけが看護の場というわけじゃなくて、あらゆる人がいる・あらゆる場所に看護はあるって捉えられるね。
さらに言ってしまえば、看護師である必要すらなくなっちゃうかも・・・?
子どもを見守るお母さんや保育士・周りの大人だって”看護してる”って言えるし、
介護施設でいえば、看護師だけじゃなくて介護士・相談員・送迎の運転手さんだって”協働して行われるケア”に含まれていくよね~
”看護師”を改めて考える。「看護師=病院・臨床」という考えは、日本固有?
看護師とは、基礎的で総合的な看護教育の課程を修了し、自国で看護を実践するよう適切な統制機関から権限を与えられている者である。
看護基礎教育とは、一般看護実践、リーダーシップの役割、そして専門領域あるいは高度の看護実践のための卒後教育に向けて、行動科学、生命科学および看護科学における広範囲で確実な基礎を提供する、正規に認定された学習プログラムである。
看護師とは以下のことを行うよう養成され、権限を与えられている。
(1)健康の増進、疾病の予防、そしてあらゆる年齢およびあらゆるヘルスケアの場および地域社会における、身体的、精神的に健康でない人々および障害のある人々へのケアを含めた全体的な看護実践領域に従事すること;
(2) ヘルスケアの指導を行うこと;
(3) ヘルスケア・チームの一員として十分に参加すること;
(4) 看護およびヘルスケア補助者を監督し、訓練すること;
(5) 研究に従事すること。
国際看護師協会, 1987年(日本看護協会 訳)
日本看護協会 ICN 看護の定義(簡約版)より引用
この看護師の定義は、ICN=国際看護師協会が掲げているものですが・・・
日本看護協会に公式に掲載されており、世界基準で見る”看護師のあり方”であるといえそうです。
「看護師=臨床」って日本では(とくに看護師の中では)言われがちだけど・・・
そこに限定しているのは長年の”病院の看護婦さん”というイメージが浸透した結果の、日本人の固定概念なのかもしれないね~
「今の自分の仕事のほうがずっと”看護してる”」って胸を張っていえます。
医療現場に見る、看護師の働き方の問題
✔医療モデルの限界。すべてが集約される”医療を提供するために、医療者が疲弊している”という現実
✔続けたいと思えない・続けようがない職場環境がつくられ、年々悪化している
✔「看護師辛い、辞めたい」と思わされる負の環境連鎖。辞めたくなるのが当たり前
✔職場の”嫌なあの人”も被害者かも?「あなた看護師向いてないよ」と言い放つ人ほど、看護に向いてない人か、悪しき慣習に染められた影の被害者
✔”我慢”と”自己犠牲”の上に成り立っている日本の医療・介護の労働体制の限界
医療現場に飛び込んで感じた矛盾・問題点です。
これをパッと見ただけでは「全部納得!」とはいかないと思うけど・・・
「あれっ、もしかして”私が”悪い・ダメなわけでもないのかな?」ということは少し伝わると思う。
なぜこんな問題が起こるのか、その理由を紐解いていきます。
医療を提供するために、看護師や医療者が疲弊している現実
”医療を提供するために、看護師や医療者が疲弊している”
もうこの見出しだけでも「あぁっ!それ・・・!」と全てを察する方もいるかもしれません。
今の医療現場で起こっていることは・・・医療技術が進歩し、それに伴い医療者の業務量が増え、”医療の力で生存期間は伸びるものの本人の自己治癒力を超えて人が生きる”といういびつな現実。
そして、改善の見込みのない患者のADL・QOLの世話を医療者(特に看護師・介護士など)が必死で担う・・・それが現代の日本の医療・介護の姿です。
再生能力を失った患者の生存期間を延ばすためにあらゆる医療資源(技術・モノ・ヒト・カネ)が費やされ、国民の医療費は圧迫され、
それを一身に担う看護師や医療従事者が自らの健康・寿命を削る・・・そんな本末転倒な現実があります。
”高齢者は見捨てればいい”なんて思っている人は少ないと思います。
でも、どんなに技術が伸びても人には寿命がある。今の医療・介護の”苦しくても技術によって生かされる”あり方は高齢者を大切にしていると言えますか?
これはあまりにも”人間の命の営み・サイクル”として不自然で本末転倒だ思いませんか?
医療を受ける人も家族も、提供する人も組織も、国も・・・
健康・お金・時間・・・みんな何らかの”犠牲”を伴っているよね。
これって結局・・・誰が幸せなの?
余裕のなさが引き起こす人間関係の悪化|被害者だった心優しい看護師も、気づけば加害者(お局)になる恐怖
「プリセプターが怖い!」
「この先輩・上司・・・人としてどうなの?」
「師長さん、まじでサイコパスなの?」
あなたの職場に、こんなふうに思うスタッフはいませんか?
でも、そもそも”人に意地悪したくて看護師になる人”なんて滅多にいないはず。
目の前にいるその嫌な人も、元々は普通の人・優しい人だったはずです。
それが「こんなこともできないの?」「こっちは忙しいのに・・・」「あなた、看護師向いてないんじゃない?」などと冷たい言動や行動を向ける人になってしまったのは・・・
”自分がそうされてきたから””忙しくて余裕がないから”といった背景が作り上げた負の連鎖の結果ともいえます。
「必要な研修も、業務が忙しすぎて受けられなかった(新人)」
というのも、結構よく聞く話・・・。
「その先輩・お局さんは本当に悪なの?なんでそうなっちゃうの?」
これについて別の記事でもまとめていますので、よかったらそちらも合わせて読んでみてください。
「看護師辞めたい」と言いながら働き続けている人の多さと、そうさせてしまう労働環境
あなたがもし実際に「看護師向いてないよ」と言われたとして、言ってきた相手の方は、あなたにとって人として尊敬できる人ですか?
あなたが、自分が職場に向いているか向いていないか悩む以前に、その職場の業務全体には余裕がありますか?
本来、協力し合って教え合って支え合っていくのが、医療現場に限らず組織・チームというもの。
それが成り立たないほど余裕がない状況が作られるのは、医療・介護が限界を超えていること、限界を超えてもなお”長時間労働”や”マンパワー”といった我慢と犠牲で対処してきたことの代償が出てきているから。
どんなに業務が増え続けても「昔から、医療現場は忙しいもの」と、本質的な解決方法に向き合わない組織経営者。
マンパワーを失うまいとして「うちで辞めるようじゃ、他のところではやっていけない」「みんな〇ヵ月待ってから辞めてるんだから・・・」と、退職希望者を引き留め退職させない現場。
日々の業務で疲れきって、抵抗を押し切ってまで辞めるための戦意を喪失する職員たち。
そして辞めたいのに辞められないっていうジレンマにも陥るよね・・・。
でも、それと「自分が”看護師”に向いていないんじゃないか?」という心配は、実は別の問題だってことに気付かない?
「もっと患者さんのために何かしたいのに・・・」
「もっと自分や周りが健康的に働ける環境があったら・・・」
という気持ちを持っている人は、むしろ”看護””看護師”には向いている人だと思います。
看護師も看護も続けられる。自分の健康を守れる働き方の選択を
✔「看護師”辛い”」と「看護師”辞めたい”」は環境問題による要因が大きい
✔「看護師”向いてない”」は現場とのミスマッチや、適性以前に環境問題との関連が大きい
✔「看護師=病院・臨床」という固定概念を外せば、”看護師として”働ける場所の選択肢は(他の仕事よりは)多い
✔”看護”のスキルは、ありとあらゆる仕事・場所で活かせる
✔自分の健康を守れる働き方、自分を看護できる生き方を選択しよう
おそらく「看護師辛い・辞めたい」と思いながらも仕事を続けている人の多くは、
”看護師の働き方=病院・臨床/急性期”という考え方に縛られているのではないでしょうか?
ですが、これまで「同じ仕事を続けることが美学・安泰」とされていた日本中の”保証”が次々に崩壊し、世の中に働き方改革(それ以前に働き方崩壊)の波が起こっています。
この記事にも書いたとおり病院の医療は限界を超えており、今後受け入れきれなくなった患者が在宅医療の場に移っていくため、訪問看護師の必要性がどんどん増えてきています。
これからは「何かあれば医者にかかればいい」という医療保障も崩壊し、働く世代には”個々で健康管理・予防をする必要性”が出てきます。
看護師の働き方は幅広いから、きちんと探せば”自分にとって向いている、看護師としての働き方”は見つかるとボクは思うよ。
固定概念を外せば、働き方は自分しだいで選べる
他の仕事をしてから看護師になり、今フリーランスとして”看護師を活かして”働いているわたしの経験から言わせていただくと・・・
看護師ほど、他の職業と比べて、
こんなに柔軟な働き方が実践しやすい職業は、他にはありません。
「大企業に入れば安泰」「終身雇用で定年まで」という保証もなくなりつつあります。
つまり、これからは”安定を選んだら不安定”になっていく時代なんだ。
最近は、どの業界・業種でも「こうあるべき」「〇〇じゃないといけない」っていう固定概念に縛られない自分らしい働き方を選ぶ人が増えてきている。
それでも大多数の人は考え方を変えられず「ここにいれば安泰なはず」と、思い込んでいる。
もちろんそういう会社・組織も残るし、本人が幸せに働けれていればいいと思う。
でももし、不安・不満を抱えながら我慢して、悪口・愚痴に染まって”辛い””辞めたい”って言いながら働いてるなら・・・
「自分のQOLを下げてまで居続けなくてもいいんじゃない?」ってわたしは思います。
残業が少ない職場に行ってほどほどに働くのもいいし、
「フルタイムで毎日同じ仕事はイヤだけどパートなら続けられる」ならパートやアルバイトをかけ合わせて働いてもいい。
そうやって他の職業に比べて、そういう柔軟な働き方を選びやすくて一定の収入を確保できるのは、看護師資格ならではの強さなんだ。
使い方しだい!相性の合う転職会社・アドバイザーを探そう
✔急性期以外の病院(慢性期、精神科、回復期リハビリテーション科など。職場ごとの環境の差は大きいため、見極めは必要)
✔訪問看護(在宅ニーズの増加により、訪問看護ステーションの開設が増加中)
✔クリニック勤務(勤務・人間関係が固定されるため、診療科や診療時間、職場の人との相性が重要)
「こういうところに行きたいです」としっかりと自己主張をして、それと向き合ってくれるアドバイザーさんと二人三脚で転職活動をするのが、一番納得できて成功確率が高い転職方法だと思うよ。
勇気がいると思いますが、最終的に行き先を決めるのはあなた自身♪
言ってみなければ何も始まりません。
後悔なく転職できるように、自己主張・自己開示をすることも大切です。
非常勤・かけ合わせ・フリーランス。看護師+αな新しい働き方
✔クリニック・訪問看護などで週1~4日のパート+別の業種の好きなアルバイト
✔派遣看護師として単発の仕事を組み合わせて働く(訪問入浴、デイサービス、健診センター、ツアーナースなど)
✔カウンセラー・健康アドバイザー系の資格を取得して転職、看護の知識やスキルを仕事の中で活かす
など
今までもそういう人はいたのかもしれないけど・・・ブログやSNSの普及でそういう看護師の存在がやっと認識されるようになったのかも?
これからこういう人がどんどん増えていきそうですね~
お金のために我慢すると、健康を失って結局お金を失う
「でも、収入が・・・」
「常勤じゃなくなるなんて、将来が・・・」
と、今の仕事を辞めるのが怖い人もいると思います。
でも、保証が崩壊してきた現代社会でお金や安心のために我慢し続けることは、あなたの心も体も蝕んでいきます。
自分を犠牲にしてお金のために働いて疲弊して、健康を失ってしまったら、あなたは健康もお金も失うことになります。
けど苦しいけど、”お金のため”・”親が言うから”・”患者さんが”とむりして仕事を続けることは、他人軸で自分を壊す働き方。
そこに縛られずに、視野を広げてみてもいいと思うよ。
「これって誰が幸せなの?」看護師自身のQOLを守る大切さ
「”看護師の仕事”は好きだけど、そこに関わる人が幸せでない世界がイヤだ」
と思ったからです。
医療者も患者さんも苦しそう。
そんなのおかしい。
看護師のQOL・・・上げたい!
わたしの場合、病院を辞めて一度は訪問看護師などへの転職も考えましたが、
「看護師のQOL(主に心の健康・幸福度)を上げる活動がしたい!」と思い、今はフリーランスという働き方を選択しています。
看護師の”横のつながりづくり”をベースに、”自分らしい働き方”を見つけたい看護師を集めて情報交流やイベントの開催、新しい働き方改革などを行っています。
他の看護師の多様な働き方を知ってヒントにするのは、一つの手だと思うよ。
自分の次にやりたいことがハッキリしないまま転職をすると、同じような失敗を繰り返しやすいからね。
結論|すべてはこれから。”向いている看護”はきっと見つけられる
✔今の日本の医療現場で”辛い””辞めたい”と思うのは、ごくごく自然な考え
✔”看護師に”向いてないかどうかは、これからの自分の働き方次第で変えていける
✔急性期や臨床という思い込みの枠を外せば、看護師の働き方は多様性に満ちている
「急性期病院でダメだったから、もう私は”看護師として”ダメなんだ」と自分にレッテルを貼らなくてもいい!っていうこと。
思い込みや固定概念に縛られなくていい。
自分の健康と幸せを守りながら働いていい。
自分に合った働き方を探して、自分らしく幸せな生き方をみつけてほしい。
それがこの記事やブログに込めた、わたしの一番の願いです♡
長くなりましたが・・・今までの働き方の見直し・これからの自分の働き方を考えるヒントは得られましたか?
記事を読んで、少しでも心が軽くなったり、未来を前向きに考えるきっかけになれば幸いです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
*I for me♡マイセルフケア~あなたはあなたのために。私は私のために*